SOUND SHIFT · アメリカ英語
フラッピング(はじき音)
water が「ワーラー」、Not at all が「ナラロー」に聞こえる理由。
フラッピングとは
母音にはさまれた /t/ や /d/ が、舌先で上の歯ぐきを一瞬はじく音 [ɾ] に変わる音の変化です。 アメリカ英語でいちばんよく起きる音シフトのひとつで、日本語の「ラ行」に近く聞こえます。 語の中(water・better)でも、語をまたいでも(get it・Not at all)起きます。
起きる条件
(母音 か /ɹ/)+ /t/・/d/ + 強く読まない母音 → [ɾ]
起きないとき
- 次の母音を強く読むとき: attack・atomic・great idea の t は、はじかずに普通の t のまま(または次の語へつながるだけ)。
- 語の最初の t: table・today の t は、はじかない。
- t の前後が子音のとき: after・mostly の t は、はじかない。
なぜ聞き取れないか
「ウォーター」と覚えた water が「ワーラー」に聞こえると、t を探している耳には同じ語だと分かりません。
さらに [ɾ] は、日本語の「ラ行」にも、英語の /r/ にも /l/ にも似ているので、別の語と取り違えやすくなります。
実際の英文で見る
音シフトデコーダー(SSD)は、辞書の音から始めて、起きる変化を1つずつ足していきます。 触らなければ自動で進み、触ると止まります。図の読み方は 音シフトを図で読む へ。
Not at all.
どういたしまして。/全然。
not と at の間、at と all の間の2か所で、t が母音にはさまれて [ɾ] に。「ナラロー」に近く聞こえる。
Put it on the table.
それをテーブルに置いて。
put と it の間、it と on の間の2か所で t が [ɾ] に。3語が1語のように「プリロン」とつながる。
What a great idea!
いい考えだね!
what と a の間の t は [ɾ]。一方 great の t は、次の idea の強く読む母音の前なので、はじかずに次の語へつながる。
I'll get it later.
あとでやるよ。
get と it の間の t(語をまたぐ)と、later の t(語の中)の両方が [ɾ] に。
よく出る語句
カタカナは聞こえ方の目安です(話す人や速さで変わります)。
- waterワーラー語の中
- betterベラー語の中
- laterレイラー語の中
- partyパーリィ/ɹ/ のあと
- get itゲリッ語をまたぐ
- put it onプリロン語をまたぐ
- not at allナラロー語をまたぐ
- what are youワラユ語をまたぐ
練習のしかた
- 聞く: 上の例文の図を「ネイティブの音」まで進め、t が [ɾ] になった所を探しながら聞きます。
- 言う: 舌先を上の歯ぐきに一瞬だけ当てて離します(日本語の「ラ」の舌の動き)。t のように息をためて破裂させません。
- 気にしすぎない: イギリス英語では t のまま発音されることも多く、どちらも正しい英語です。目標は、はじいた音を聞いても同じ語だと分かること。
関連する音シフト
自分の英文でも見てみる
会話で使いたい一文を貼ると、どこで音が変わるかを、この図と同じ形で1語ずつ確かめられます。